自宅マンションで昨年11月に遺体で見つかった男性を生前、繰り返し殴ったり蹴ったりしたとして、大阪府警は4日、隣人の堺市中区深井水池町の無職、楠本大樹容疑者(32)を暴行容疑で再逮捕し、発表した。「傷害や暴行と呼ばれることはしていない。じゃれ合う程度だ」と容疑を否認しているという。
男性は、無職の唐田健也(たつや)さん(当時63)。捜査1課によると、楠本容疑者は昨年10月15日~11月中旬、堺市中区役所の相談室や自宅マンションの通路などで計11回、唐田さんの肩や脇腹付近を拳で殴るなどした疑いがある。区役所内での2件を含む計5件を区職員が目撃していたという。
唐田さんは昨年11月21日午前、マンション4階のワンルームの自室で倒れているのを、訪問した区職員のケースワーカーに発見された。司法解剖の結果、全身に打撲があり、肋骨(ろっこつ)が何カ所も折れていた。呼吸ができなくなって同月20日午前に死亡したと推定されるという。府警は他殺と断定し、殺人容疑で捜査している。
遺体を発見したケースワーカーは、警察官が駆けつけるまでの間に楠本容疑者から「預かっていた」と告げられ、唐田さんの財布や通帳、運転免許証などを渡されたという。楠本容疑者は府警に「金の管理を任されていた」と説明しているという。
同課によると、楠本容疑者は唐田さんの遺体が見つかった直後の同月21日午後、区役所の相談室に唐田さんの弟(62)を呼び出し、現金約11万7千円を脅し取ったとして、恐喝容疑で昨年12月に逮捕されていた。相談室では、「(警察や弁護士に)一切の異議の申出をしない」などとする誓約書を作って署名・指印させ、金額欄が空白の領収書を渡して脅した疑いがある。楠本容疑者は、「役所で話したことは事実だが文面が違う」と供述しているという。
捜査関係者によると、区職員…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル